面白い。
タイトルはカジノだが荒稼ぎする話ではなく、賭場の支配人を主人公にしたマフィア映画である。
主要人物は主人公とその妻、そして暴力的で危険な用心棒の男の三人だけであり物語自体はシンプルだ。
しかしそれでいてこの手の映画の醍醐味であるカジノ、マフィア、地元議員、FBIなど複数の権力が絡み合うマフィア的政治力学の描写や、目を背けたくなるほど濃厚な暴力シーンは3時間の長尺の中にみっちりと詰め込まれており、視聴後の満足感が強い。特にこの政治的な文脈は、主人公が切れ者なだけあり常に綱渡りをしている緊張感があって良かった。
こういう華やかな野蛮さ、きらびやかな品のなさを描いた映画ってたまに摂取したくなる。
