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白鍵と黒鍵の間にのmarohideのレビュー・感想・評価

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)
3.0
 雰囲気の良い映画であった。1980年代当時の銀座のキャバレーという、下品な猥雑さと文化の気風の入り交じる空気を味わえただけでも満足できる。
 あらゆる人種の入り交じる夜の世界を生きる人々の人間模様、綱渡りをするような危なげな力関係、その中での息苦しさなどの表現は真に迫っていて興味深かった。

 熊野と“あいつ”が出会ってからの演出は好きではない。それまでが重厚な雰囲気だっただけに、変に浮いてしまっているように感じた。結末もやや尻切れトンボ気味に思える。

 一瞬だけ登場した佐野史郎が良い。
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