巨大すぎる資本もとい権力に飲み込まれて消えたラスベガスカジノに魅了された男たちの栄枯盛衰。
マーティン・スコセッシ監督作品。午前十時の映画祭にて鑑賞、"グッドフェローズ"と同じニコラスピレッジ脚本のスコセッシ作品ということで楽しみに行ってみた。
まず本作はラスベガスの巨大カジノを舞台にした年代記になっており、カジノの経営を任された男の栄枯盛衰を描くいかにもスコセッシな半生を眺めるスタイルの映画だ。
もうゴールデントリオと言ってもいいぐらいの監督スコセッシにデニーロとジョーペシという最高すぎるやつら、"レイジングブル"と"グッドフェローズ"と並ぶデニーロジョーペシスコセッシ三部作とでも言おうかというぐらい素晴らしい配役すぎた。結局はとてつもなくのし上がっていくデニーロと妻となる女性、そこに三角関係みたいになるジョーペシの絡みが入るとめちゃくちゃエネルギッシュな話になるのはなんでだろうか。
まさに"グッドフェローズ"をブラッシュアップさせたようなハイスピードな話運び、めちゃくちゃ早くて初見じゃ追いつけないぐらいなのに食いつくように見てしまう素晴らしき編集よ。そこはまあ基本的に成り上がりと没落の二極化なストーリーで、本筋がわかりやすいという点が重要なところか。
あと今回はファムファタールのシャロンストーンがなかなかにやばいやつすぎる、スコセッシ史上最強のジャンキー女爆誕すぎて拍手したくなる狂い具合。デニーロはなんとか手懐けようとするが無理すぎ案件、でそれを尻目にジョーペシが不倫相手にする三角関係やばすぎて阿鼻叫喚やろ。なんか終盤なんか"ゴッドファーザーpartⅡ"みたいやし、スコセッシがもし撮ってたらとか想像しちゃうないものねだりな内容よ。
てかスコセッシ作品のデニーロってあんま酒とドラッグには溺れてなくて、逆に他のメインキャラが溺れてる印象が明確になった気がする。だが逆に女には溺れまくりなんだけども。
いやはや相変わらずのバイオレンスなジョーペシは最高だし、デニーロとジョーペシの掛け合いナレーションが素晴らしくハイスピードな快作だった。あと相変わらずの"gimee shelter"も良いけど、ゴダール"軽蔑"のカミーユのテーマがエモく鳴りすぎてて笑ったけど、やっぱり使い方含め実はゴダールに敬意払ってるなと感じたりもしたスコセッシ映画。ラストのラスベガスが崩壊したような映像で、ちょっとノスタルジーっぽく終わるのも忘れられない逸品で大好きな作品になりました。