Frapenta

JSAのFrapentaのネタバレレビュー・内容・結末

JSA(2000年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

パクチャヌク出世作。

いまや血みどろの復讐劇で有名な彼の作品だが、今作は南北境界線を跨いだ友情およびその破局を描いていて、人間愛溢れる映画で驚いた。しかも今作は二つの異なる証言と、一つの真実という「羅生門」(正確には真実がある点で「最後の決闘裁判」)スタイルで話が進んでいく。とても巧いストーリー展開(この場合はナラティブかもしれないが)だった。
ソンガンホ(北)にイビョンホン(南)と、日本でも有名な二人が主演だったこともあり、どちらも応援したくなった。しかし結末としては唯一ソンガンホのみが生き残り、イビョンホンの役はせっかく手助けしてくれた女性を前にして自殺するという考え得る限り最も悲惨な結果となってしまった。あまりにもソンガンホ演じる兄貴が人情を授けすぎていて、多分イビョンホンがその受け皿になりきれなかったのだろう。ソンガンホがいかなる状況でも比較的平静を装えたのも、残酷な現実を受け入れ次の人生へと向かおうとしていたのも、彼らの中で一番人生経験があったからだと思う。生死を分けたのはその差だろう。

あまりにも仲裁をしにきた女性が浮かばれない。悲し過ぎる最後だった。
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