ナイトリッチ

シド・アンド・ナンシーのナイトリッチのレビュー・感想・評価

シド・アンド・ナンシー(1986年製作の映画)
3.8
★セックス・ピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスとナンシー・スパンゲンのドラッグ&ラブストーリー。

#あのゲイリー・オールドマンがシド・ヴィシャス役って何それは……?絶対セクシー&最高じゃん……と思って期待たっぷりで観た。
やっぱりゲイリー・オールドマンは最高。

#徹底したパンクロックファッション、楽曲がとにかく格好良い!
思春期に憧れてシドの南京錠ネックレスを買った口なので、出てくるファッションを見るだけでも楽しいの何の!

#最初から最後まで終わりの気配がする。どの瞬間も常に物語の終盤みたいな、死とか堕落とか、そういう気配がする。だから、見始めてたった15分しか経ってないのに、もう物語の佳境を見てるような気持ちになる。
なんでだろうって思ったけど、シドが常に刹那的に生きてるんだもんな、、、
映画の主人公が、怒った時に物を壊したり叫んだり、嬉しい時に狂ったみたいに笑ったり、深酒や薬漬けになったりって、2時間の映画の中のワンシーンじゃん。シドは違うもんな。常に物を壊したり投げたり、大声を上げてはしゃいだり笑ったりしてる。これ、演じてるゲイリー・オールドマンは相当大変だったんじゃないかと思うよ……いつもフルスロットルなんだもん……。

#なんと『シド・アンド・ナンシー』、ゲイリー・オールドマンの初出演作品なんだって。
初でこれ……初でこれなの……?

#しかしこのシドとナンシーという人物が実在したってところがまた凄まじい。1からtenまでパンクそのもの

#麻薬ダメ絶対映画です。

#麻薬版『酒とバラの日々』だ……『トレイン・スポッティング』なんかは怖いながらもコミカルさ・ハイテンポさがある麻薬絶対ダメ映画だけど、
『シド・アンド・ナンシー』はどろっどろだもんね。汚い部屋で、土気色の顔のまま昼ともなく夜ともなくベッドにぐったり寝そべって、起きたと思ったらドラッグもしくはドラッグを買うお金をせびりに行く。
やめたいのにやめられない、誰もが認めるカリスマスターで、音楽を続けていきたいと思っているのに、麻薬を打ってしまう。
まともに立っていられなくなり、歌詞を覚えられなくなり、突然吐いたり汗びっしょびしょで横になっているしかなかったり、それでも薬をやめられない……。

#実際のナンシーについてよく知らないんだけど、本当にあんなだったの?ジャンキーで身勝手でヒステリーで。ファム・ファタールもいいところですよ。
ナンシーに出会ってなかったら、シドはどうなってたんだろう、音楽をちゃんとやってたんじゃないかって考えちゃう。
ナンシーに出会う前、ボーカルのロットンと二人で仲良くキャッキャしてたシドは、女も薬もやらない、音楽には必要ないぜって感じだったから、無茶苦茶はやるけど真っ当な人間だったわけで、、、

#調べたら、この映画と史実とは違う部分も多々あるみたい。

#段々と体調が悪くなって顔色が死体みたいになってくシドを見ているのもつらいし、ピストルズが解散するシーンもつらい。

#ナンシーがどこでどうやって死んだか知っていたから、チェルシーホテルが映った時、ああ……ここに来たということは……って暗い気持ちになった。

#とにかく憂鬱な気持ちになる映画だったな……麻薬ダメ絶対……