前から観たかった映画の一つ、だったのだが期待値が高すぎたのか今ひとつ止まりだった。
キャラクターの造形、色使い、雰囲気、モチーフなどどれをとっても自分好みなのだが、どうにも熱中できない。パーツはどれも大好きなのだがそこから組み上げられた全体図が微妙といった感じだ。その材料を揃えられたならもっと上手いものができたんじゃないか、なんとも惜しい。
冒頭からしばらく現実世界と魔女の世界を行ったり来たりするが、そのせいで少々冗長になっている気がする。
主に魅力を感じたのが魔女の世界の雰囲気だったので、アリスのように不思議な世界に行ったら行きっぱなしの方が良かったのではないか。
住民はそれぞれの世界に存在しているが、コラライン視点だと現実世界の住人には挨拶をしたくらいの関係なので見ていて愛着がわく暇がない。そのためワイビーが助けに来るシーンも大団円風なエンディングも今ひとつピンと来なかった。
一方、別の世界の表現はどれも素敵。特にトビネズミのサーカスのシーンは自分がサーカス好きである事を差し引いても出色の出来である。ずっとこういうのを観させてくれればいいのに。本当に個々のポイントはいいんだがな。