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花は嘆かずのdoiのレビュー・感想・評価

花は嘆かず(1957年製作の映画)
5.0
マイナスの符号を背負って歩く菅佐原英一。借金のための婚約、借金のための謝罪ってとにかくマイナスの引きが強すぎる。自分を卑下することで人の注意を引こうとする典型的な自己愛商法。大阪で同じ顔の川喜多と合流、七浦弘子が挟まれた構図は図形。同じ顔使うの禁止。川喜多は伝統的なピュアボーイ商法、杉田弘子の家に寝転がって小山明子を脳裏に描く図々しさ。大阪のクラブで帰りたい顔殴りたい。無罪放免。そして獣から逃れると私欲を超えたところにいる純粋悪の上原謙が後部座席で待っていて聞いてもいない人生を語り出す。悪夢が悪夢にバトンタッチ、白い前掛け=不吉さの象徴。いそいそ食卓を整えて待つ誕生日に無邪気を通り越して隙だらけの哀れさ、あまりにも無粋な中身の恨み節。
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