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おっぱいバレーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

おっぱいバレー(2008年製作の映画)
3.6
《スポーツの映画》、Vol.8。バレーボール①。

「みんな、私のおっぱいを見るために頑張りなさい!」

綾瀬はるかってこんなに可愛かったのか。
ネタがネタなので何て言ったら良いのか迷うけど、この先生のキャラクターも、このしょーもない中坊どもとのしょーもない約束も、全部ひっくるめて彼女の魅力があってこそ成り立つような映画。

基本的に終始くだらない。
「次の大会で1勝したら先生のおっぱいを見せてもらう」
どう転んでもしょーもないバカな約束でしかない。

でも、それは約束であり、彼らにとってのかけがえのないたった1つのモチベーションであり、原動力になる。

残念ながらいつの時代も、中坊の夢なんてそんなもんでしかない。

そんなくだらなくて、意味があるのかもわからなくて、不純で、バカとしか思えない夢を通して、行動を起こし、色んな経験を積む。

だとすれば、そんな夢は「大問題だ」なのか。
その約束がなければ、この映画で起きた彼らなりの“戦争”や“かけがえのない思い出”や“友情”はなかったわけで。

最後まで何でなのかわからなかったが、時代背景と言うか、使われる楽曲が70'sなのは、そう言う意味で「今も昔もその辺のしょーもなさは変わりませんよ」と言うメッセージだと思えて、逆にそこに変に安心した。

この楽曲達はそれはそれでテンション上がった。

大っぴらに、お下劣に騒ぎ立てるのはアレだけれど、どんな理由であれ一生懸命になった「人の夢や約束を笑うな!」と言う点においては、ものすごい絶妙なラインを極めた映画。

これ、驚いたのはエイベックス20周年映画。
だから、製作委員会の顔ぶれ、ヤバい。

エイベックス、日テレ、バップ、ワーナー、東映、ROBOT、ホリプロ、読売テレビ、、、。
日本と世界のエンタメの最先端の会社ばかり。

何ならマスメディアの放送局も絡んで「試合に勝ったら先生のおっぱいを見る約束してバレーに勤しむ男子学生」の映画を作ってる。

ぶっ飛んでるな。そんな、2000年代初頭の映画。

綾瀬はるかが、その不純な約束に没頭する男どもに、自分の過去のあれこれも混じって妙な使命感を感じ始める様もそれはそれでグッと来た。

「私のおっぱいは、私だけのものではないの!みんなの夢なの!」

相手からすれば完全に気が狂ったとしか思えないセリフとか、なかなかドキドキした。
そんなセリフは日常的に聞けるセリフではないので、ある意味夢が見れるエンターテインメントではある。

言うて自分もこの男どもとルーツは同じなので、色んなことを代弁して体験してくれたような映画で、個人的には不純ながら、ほくそ笑みながら楽しんでしまった映画。

まぁ大前提の“スポーツと向き合う純粋で道徳的な理念としてのスポーツマンシップ”ではないのかもしれないが、これについてはもう何も言うまい。

それは最後に仲村トオルの一言が代弁してくれてるから、それで良いんだ、この映画は。
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