shihonnneko

砂の器のshihonnnekoのネタバレレビュー・内容・結末

砂の器(1974年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自然の切り取り方をこだわってんのひしひしと伝わってきた。最近の日本映画って画角とか意識してんの?って思っちゃうくらいすごかった。もう自然は満足したので、今は都会の切り取り方がきれいな映画を見てみたい気持ち。電車で窓開けながらタバコ吸ってるのが羨ましかった。もう日本ではできないのかな。昔の人でこんなにきれいな人いるんだと思わせてくれた島田陽子。男前の丹波哲郎。ハリウリサみたいな森田健作。我賀の少年時代の子はずっと睨みを利かしててかわいそうだったな。目に変な筋肉ついただろうな。そんなことより後半の生い立ちお披露目会が長すぎる。ピアノ弾き終わって「完」でよかっただろ。ずっと音楽を流して映像だけ見させられてガクヅケのネタかと思った。結局、情に訴えかける大衆的な作品だった。芸術は無視。これも一種の芸術なのか?好みではないけど、圧倒的大作で作り込まれていることはわかった。恋人に浮気のことを尋ねられた我賀がピアノをひいて誤魔化すシーンと、複雑な感情に耐えきれなくなった千代吉がワーッって叫んだあとに、シーンが切り替わって、我賀の反復横飛びみたいなピアノの弾き方が浮かびあがってくるのがおもしろかった。
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