ししまる

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのししまるのレビュー・感想・評価

4.0
米同時多発テロで父を失った少年オスカーはクローゼットで1本の鍵を見つける。オスカーは父の仕掛けた調査探検ゲームのひとつで、鍵穴を探し当てればメッセージが受け取れると思い、鍵穴を探す。
9.11同時多発テロという米国最悪の出来事を背景とする作品で、米国ではファンタジーとも言える内容にご都合主義的との批判もあったうようだが、個人的には素直に評価したい。「間借り人」の正体、鍵穴の行方。母親の秘密にはうるっときたわ。キャストも豪華で、オーディションで選ばれたトーマス・ホーン演じる少年もうるさいけど可愛らしくて。
間借り人とオスカーの探検もよかった。映画をいろいろ見てると、意図せず同じ俳優が登場することがある。今回は間借り人役のマックス・フォン・シドー(20年3月死去)がそう。数日前に見た「潜水艦クルスクの生存者たち」では冷たいロシア海軍大将を演じていたが、優しさあふれるじいさんだった。
✅メモ
原題は「Extremely Loud & Incredibly Close」。ジョナサン・サフラン・フォアによる同名小説を原作としている。アカデミー賞作品賞、助演男優賞(マックス・フォン・シドー)ノミネート。
批評家の賛否が極端に分かれており、アカデミー賞作品賞ノミネートを批判し、史上最悪の作品賞ノミネートとする声もあった。
主人公オスカーが自閉症かどうかの論争が起こった。監督のスティーブン・ダルドリーは「自閉症スペクトラムの特別な子供が、自分にとって理解できないものを理解しようとしている物語」と述べ、著者のジョナサン・サフラン・フォアはオスカーを自閉症だと思ったことは一度もなかったとしつつ「自閉症ではないとは言えないが、実際にそれを判断するのは読者だ」と語っている。
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