この作品、まだ幼い頃に見て、
とても怖かった記憶があります。
フランケンシュタインの細胞が分かれて、
海に落ち、そこで成長して、
人間を食べる怪獣ガイラになり、日本上陸。
羽田空港などをめちゃくちゃに破壊して、
山の中へ。
自衛隊は「L作戦」を実行し、
メーサー光線と、川に流した高圧電流で、
ガイラを後一歩のところまで追い詰めるが、
そこに山の怪獣「サンダ」が現れ、
自衛隊の攻撃を阻止して、山中にガイラを連れ去る。
凶暴なガイラと温厚なサンダ。
二匹の怪獣は、ついに決裂し、
東京を舞台に、一対一の戦いを始める。
どちらが勝っても甚大な被害が出る。
戦いは、いつ終わるともなく続くのだが・・・
開巻、大たこに漁船が襲われ、
そこにガイラが登場するシーンから不気味なムード。
空港でガイラが人間を捕まえ、
むしゃむしゃと食べてからぺっと吐き出す描写。
小さい頃、このシーンがトラウマだったんですよね。
この時代のビア・ホールや、
空港、街の風景など、
風俗描写的に面白い。
クライマックスの銀座での格闘で、
この時代の東京の地下街が写っているのも興味をそそる。
阪急のポスターが貼ってあったりします。
この格闘シーンは、
もろにプロレスっていう感じなのですが、
ビルを壊しまくりです。
それから、自衛隊の活躍も見逃せません。
全体的に知的になった今日では、
作戦の曖昧さに突っ込みを入れたくなるでしょうけど、
そこはご愛嬌。
「L作戦」実行のシーンは、東宝特撮作品のなかでも、
記憶に残る名シーン。
一連の怪獣ものの中では、“怪作”とよばれるであろう作品ですが、
観直してみると、結構新鮮な発見があると思いますよ。