可憐な盲目の人妻オードリー・ヘップバーンが、
ひょんなことから預かることになってしまった人形をめぐるサスペンス。
後半はホラー映画と見紛うまでの恐怖が沸き上がる。
前半で一見無意味に思えるシーンが後半のクライマックスの重要な伏線になっているので、一時も目が離せない。
壊れた冷蔵庫まで後半の重要なポイントになるのだから。
ヘップバーンの芝居もうまい。
盲目の役と言えばどうしても大袈裟な芝居になってしまうのだが、
彼女は相当の役作りをしたらしく、
自然な演技で物語に現実感を与えている。
例えば、電球の点滅を感じるために温度を感じるシーンなどだ。
それにしてもテレンス・ヤング監督上手いなあ。
ほぼ室内だけでのサスペンスなんだけど、
その緊張感はヒッチコックの『裏窓』に匹敵すると思う。
(本当の)クライマックスでは、
「ギャッ」と思わず声が出てしまいましたからね。
色褪せないスリラー映画と呼ぶにふさわしい作品だと思います。
未見の方はぜひおススメ!
(出来たら部屋を真っ暗にしてね)