タイトルだけでガキの頃は怖かったが、いざ見てみると大して怖くない。まぁ一応タイトル通りではある。
通常白黒で、エロシーンだけいきなりカラーになるもんで、あ、そっちメインなんか！と気付かされる。
という事でタイトルだけで大体完結してしまってる作品。

当時の人はどういうエロ描写で興奮していたか、当時のエロ映画はどこまで裸やエロシーンが出来たかなどの資料的価値はあるが、映画的には全く面白くない。前半は昼メロみたいな安っぽい遺産相続のドラマと興奮しないエロシーンが延々と続くし、中盤遺産を巡って継承するはずだったヒロインが殺され幽霊になった彼女が復讐するという展開も安っぽい特撮と「時代劇の間違いじゃないのか？」というくらい古くさい怪談めいた因果応報劇が繰り広げられ中弛みしてくる。1970年代以降場末のポルノ映画でこういう怪談映画が作られなくなるのも当然の流れと言えるのかも(但し日活ロマンポルノは一流のスタッフの技術を駆使していくつかの怪談ポルノを作っている)。

あと肝心の女優のレベルが今の人間からすると「この程度？」と思ってしまうレベルだし、スタイルも良くないのでエロに期待してしまうとがっかりするはず。逆にいえば今エロ業界で活躍する女優たちのレベルが高すぎるということになるけどね。

あと話の流れやドラマの規模といい先も言ったけれど昼メロドラマに似たものを感じたけれど、この映画の監督である小川欣也監督は一時期テレビドラマの監督業を担当しているのでその影響があるのかも。ちなみにピンク創成期に活躍した監督の大半は若松孝二や小林悟、山本晋也などテレビドラマのスタッフ経験者で、そうした安く早くドラマを作れるノウハウを買われて監督になっていったのだそう。そう思うとテレビドラマとピンク映画はルーツが同じ親戚と呼べるのかも。ただ70年代以降に入るとピンク映画の制作費はますます安くなり、テレビドラマのノウハウも通用しなくなるためより安く早くの世界になっていき、またエロの描写も過激になり全くの別物になってしまうが。

エッチなシーンが近くなるといきなりカラーになるのでちょっとドキドキする。