TaiRa

フラワーズ・オブ・シャンハイのTaiRaのレビュー・感想・評価

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よくよく考えたら凄いしょうもない話なのが素晴らしい。めっちゃ眠れる映画なのでちゃんと寝た。

清朝末期、高級遊郭に集まる高級官僚たちと遊女たちの愛憎劇。ワンシーンワンカットでカメラはふわふわと浮遊する様に動き、男女の会話を眺め続ける。その独特なリズム感が、やたらに眠気を誘う。このリズムの根底には劇中の登場人物が片っ端からアヘンを吸っているのがあり、映画全体がキマってる様なムード。美しい撮影と豪華なセットに退廃的な空気。描かれるのは酒を呑んではしゃぐ男たち(ジャンケンで負けたら酒飲むやつ3,4回出て来る)、遊女の身受けを含めた金の話、他の遊女と遊ぶ男への嫉妬などの痴話喧嘩、とまぁその様な話がいくつも。出て来る男女によって微妙に状況は違うが、結局のところ遊女と客という関係性以上の物は得られないというドライな人間関係。上海が舞台なので全員上海語を話すそうだがトニー・レオンと羽田美智子(吹替)の役は広東語らしい。中国語さっぱりなので違いが分かんないけど。上映後トークでアサイヤスも言ってたが溝口の影響はあるんだろうな。プロデューサーの市山氏も当時侯孝賢に訪ねたがはっきり言わなかったらしい。「観てない」と言ってたが多分観てるだろうと。侯孝賢の不良性、男っぽさは他の映画でも出てるが、この映画の男たちのダルさは凄い。女はみんな綺麗だった。
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