MyYouMe

マトリックスのMyYouMeのレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
4.0
家に円盤があるにも関わらずなぜかまともに観たことがなかったマトリックスシリーズ。いくつもの有名なVFX・SFX映像があちこちでオマージュや引用をされてきたので、なんとなく知った気になってしまっていたけど、そんなはずはないので新作に向けてやはりちゃんと観なきゃかなと、満を持しての鑑賞。
全体的にグリーンエフェクトのかけられた映像がクールである一方でちょっと陰鬱な雰囲気もあるので、コンディションがあまり良くない時に観たら途中でまさかの寝落ち…しかも2度。もしかして合わないのかな、と思ったけど日を改めて3度目のチャレンジで文字通りようやく覚醒。すまん寝てる場合じゃなかった。

ネオとトリニティが黒コートでビルに乗り込むくだりからちょっとヤバすぎるでしょ、ふたりともカッコ良すぎて痺れっぱなしだった。当然ながら切り取られたシーンではなく通して流れの中で観る充実度はかなりのもの。

1999年の作品でこのプロットや演出は相当革新的だよね。“我々の生きるこの世界が実はコンピューターに支配された仮想世界”というシチュエーション、カンフーを取り入れた肉弾戦やワイヤーアクション、バレットタイム撮影を駆使したガンアクションなど、終始スタイリッシュで今観ても全然古さを感じない。
モーフィアスの台詞の端々に宿る説得力。いちいち深くて沁みる。
誰かや何かにに支配されても「運命は自分で選択し、決める」という普遍的なテーマ、エージェントとの対立構造とアウトラインは案外シンプルなんだけど、複雑な多重構造で難解に感じてしまう。
ウォシャウスキー兄弟(当時)の感性凄すぎるな。

内容的には今だからこそリアルに感じる、理解できる部分が大きいように思う。ここを基点にした新作が2021年に公開されるのは、いいタイミングなのかもね。
MyYouMe

MyYouMe