へちまびと

マトリックスのへちまびとのレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
3.8
マトリックス以前、以降でSF映画を分類できる…と言っていいほど、映画の世界に甚大な影響を与えた作品。

本格的に大作化したのはリローデッド以降で、IP初代の本作は背景に書き割りがあったり、まだちょっと予算のシビアな映画という雰囲気がところどころにある。

しかし「メタバース」がバズワードになる20年以上前にその完成形を映画の中で描写した先見の明はすごい。

「仮想現実では敵が対処不能な強さのため、隠密行動が求められる。現実世界でもマシンに見つかればまず助からない」という過酷な設定が全編に渡って手に汗握る緊張感をもたらしている。

リローデッド以降はネオが強くなり過ぎて緊張感がなくなってしまった。
それに対抗するためにスミスの能力も上げて調整しようとしているが、グダグダな感じが否めない。

そこへ行くとやはり初代の面白さは別格だ。救世主となる片鱗は見せるもののネオは最強ではなく、エージェントに対しても遅れを取る。

救世主として与えられた力ではなく、限界のある人間として、頑張ってモーフィアスを助けに行く。困難を困難とわかってて行く。だからこそかっこいいし、胸が熱くなるのだ。