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隠し砦の三悪人のkojikojiのレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
3.7
1958年 監督・脚本:黒澤明 脚本:橋本忍、菊島隆三、小国英雄2022.10.06視聴-449
● 三船敏郎(六郎太)
●千秋実(太平)
●藤原鎌足(又七)
●上原美佐(雪姫)

 第18作 黒澤作品初のシネマスコープ。
 太平、又七のコンビがスターウォーズのC-3POとR2-D2のモデルというのはあまりに有名だが、それだけではなく、レイア姫は雪姫がモデルらしい。スターウォーズエピソード4(つまりシリーズの第1作)はこの姫を救出する物語だから、ほとんどこの映画が基調にあることがわかる。

 そんなこともあったのだろう2008年にはリメイク作品も作られている。しかし、評判は他の作品に比べると低い。

 ストーリーの中心が農民の太平と又七にしていることだろうか?
 しかし、これは納得できない。
千秋実、藤原鎌足の演技は最高に良い。二人とも本当にいい演技しているけど、特に今回は藤原鎌足の演技には参った。素晴らしい演技だ。七人の侍などこの役者は黒澤作品で重要な役をこなしているが、おそらくこの作品が最高の気がする。

 この映画の見所と言われるのは、三船敏郎が馬を走らせ、先に行く二人を手綱を持たず走り抜けて切り倒すシーンと、藤田進演じる田所兵衛の「裏切りごめん」の演技だが、確かにこのシーンは迫力があるし、藤田進の武士の生き様にジーンとくる。

 初めてこの映画を見た時、上原美佐(雪姫)の演技力、特にセリフが一番気になったが、やっぱり今回もここが弱点のような気がする。黒澤監督は彼女を「上品さと野生味を併せ持つ」と評して抜擢したらしい。確かそこはわかる気がするが、あとちょっとでいいから、セリフは普通に喋らせて欲しかった。ついでに言うと、眉もあそこまであげなくていいのでは。
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