HidekiIshimoto

隠し砦の三悪人のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
5.0
黒澤組脚本家だった橋本忍の『複眼の映像 』という本を読み出し、色々驚愕中。なんと『羅生門』が脚本家デビュー。続く『生きる』、続く『七人の侍』の脚本完成に至るまでの壮絶背景。けどもっと驚愕なのは『七人の侍』から『用心棒』までの間に撮られた超絶傑作群に対し、「生彩がなく冴えない作品」「独自の面白さがない」とまで書いてること。必殺大活劇のこれでさえ「スピード感覚に欠け、活劇の快楽にはほど遠い」とありえない自評してて、『七人の侍』が面白さの基準値を千メートルくらい高めたとしか思えない。驚愕作『生きものの記録』はなんと興行惨敗だったそうな。黒澤は深いダメージを受け、橋本氏も共同脚本の出来を自責している。けど俺、声を大にして言いたい。原爆テーマにビビって敬遠した観客どもが悪い!そんなだからこの大地震大国に54基も原発建てられる羽目になるのだ。5、6回目くらいのこれもあまりの面白さに泣いたし。雪姫の歌では号泣だし。なんて見事な脚本と演出。これをけなすとか書いた本人じゃなかったらぶっ飛ばすぞ!って感じ。