なんて儚い話なんだろう…やるせない気持ちになった。
週末引きこもり映画3本目。
ずっと気になっててやっと。
文字通り、生涯船を降りることのなかったピアニスト。
彼にとって、陸地はどのように映ったのだろうか。全ては、最後2人で話す船内で語られる。でも、なぜ……
出征証明書もない、本当の名前もわからない、そんな人生を抱えられなかったのか。
船は、彼自身だったのか。
そうなってしまったのか。
友が必死に説得したように、船を降りて、陸地で家庭を持ち、幸せに暮らす、ができたなら。
あんな選択しかできなかった彼が、悲しすぎる。
あの船に、天才が乗っていたことも、弾ける音楽が響く日々があったことも、ピアニスト同士の対決があったことも、儚い恋があったことも、何もかも、
伝える人がいなければ忘れ去られてしまう。
この感情をどう処理して良いものか、わからない。不思議な不思議な話。
…なんて、いくら純粋とはいえ、女性客室に忍び込んではいけません。