Sung

SWEET SIXTEENのSungのレビュー・感想・評価

SWEET SIXTEEN(2002年製作の映画)
4.2
優しさってなんだろうと思う。
どのように優しいかでもなければ、なぜ優しいかでもない。
僕自身どんな人からも「優しい人だ」とよく言われる。
すごく嫌だ。
嫌なのに褒められれば自然とふざけた顔になる。

優しさは「隙」だ。

自分を切り売りして相手から何が返ってくるかを賭けてる。
何も返ってこなければもう会わない。
返ってきたとしても弱みを握られた状態から始まる。
愛はその賭けにおける哲学同士の相性だと思う。
仲良くなりたい人がいたら、相手の隙を一つ誘き出して一つ僕の隙を売ってあげればいいんだ。


母親は子に対して隙だらけ。
いつか子は自分が母親の全てを奪えることを知る。
その時こんなちっぽけな人間が僕に僕の全てだと信じ込ませて閉塞させてきたのかと近親憎悪に陥ることもあるけど、
それなら与えてきた隙に対して売り放題だってことだ。

隙は優しさに変わる。
優しさは賭け事だから、どれだけ自分から拙さを取り除けるかっていうたったそれだけなんだ。
よく頭がいっぱいになるけどきっとそれだけのことなんだ。
Sung

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