しゅん

ストライキのしゅんのレビュー・感想・評価

ストライキ(1925年製作の映画)
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悲壮なものを想像していたらめっちゃ笑ってしまった。映画内で起きていることはたしかに悲壮なのだが、そこに施す演出が過剰で、しかもエモーションの喚起に成功していないのがおかしい。戯画化された資本家の顔、突然の自殺、牛の屠殺とストライキ鎮圧のモンタージュ、スラップスティックな泥まみれ。映像に意味付けを施そうという必死さがすごくて、情動作用を熟知していたディズニーにエイゼンシュテインが賛美を送ったことも頷ける。水鏡の利用や写真が動きだす演出、機械や蒸気のイメージ、悪役ぶりが逆に清々しいルンペンたちなど、ディズニーアニメーションを想起させる要素も満載です。一番好きなのは屈強な労働者三人が腕を組んでカメラ目線送るところですね。プロレスラーかよ!

オリジナル版とは関係ないけど、インサートされる文字が全部日本語になってたのも凄かったな。「忘れるな!」…
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