回想シーンでご飯3杯いける

地獄の黙示録・特別完全版の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)
4.2
僕は「アバター」を観た時、真っ先にこの「地獄の黙示録」を思い出した。異論もあるだろうが、この2作品には共通項が多い。

侵略、ジャングル、秩序、命、そして、臨場感溢れる映像、、、「地獄の黙示録」と「アバター」が映し出す風景は、確実に同じ方向をむいている。(陳腐な言い方になるけど)ラスボスが自軍の大佐である事、主人公が、進入する王国にある種のシンパシーを感じる点も同じだ。

しかし、「アバター」が物語後半で単純明快なドンパチ劇になってしまうのに比べ、、「地獄の黙示録」が描く風景は、最後まで徹底して不気味であり、ここが両作品の質感を決定的に違う物にしている。「地獄の黙示録」を観終わった時に感じる後味の悪さは、他に類をみない。この後味の悪さこそ、この映画が表現したかった事なのだと思う。

この不気味さの一因となっているのが、使用されている音楽だ。特に、冒頭とラストで流れるThe Doors"The End"のハマリ具合は、本作最大の見所と言ってよいだろう。ちなみに、「地獄の黙示録」のオリジナル公開は1979年。未公開シーンを加えた、この「特別完全版」は3時間を越える長尺になっている。現在出回っているDVDは、5.1chサラウンドに対応しており、先に書いた音楽面や、恐怖感を煽るヘリコプターのSE等で、見事な効果を発揮している。