Keigo

セント・オブ・ウーマン/夢の香りのKeigoのレビュー・感想・評価

4.4
これは…とにかくひたすらにアル・パチーノに圧倒される映画だ。あの迫力、存在感、彼が出演しているというだけで、駄作なはずがないと思える絶大な安心感。

頑固な盲目の退役軍人役があまりにもどハマリしてた。いや、こんなに難しそうな役どころでもハマリ役に魅せてしまうアル・パチーノが凄すぎるのか。

作品が帯びている雰囲気はとても端正で、登場人物も決して多くはなく、特別派手な印象も無い。しかし観る前によぎった157分かー…という雑念は全くの杞憂で、序盤に2人が出会うあたりから猛烈にグイグイと引き込まれて、いつの間にかガッチリ掴まれたままラストまで。長さは全く感じなかった。それは脚本や演出が優れていたのはもちろんのこと、やはりアル・パチーノの演技に寄るところが大きいと思う。だっていちいち巧いし、かっこいいんだもん。タンゴのシーンのあたりなんてもういろいろ旨味が凄すぎて卒倒しそうだった。チャーリー役のクリス・オドネルもすごい。あんな怪演とよく張り合ってやったもんだ。

タイトルからイメージする内容とはだいぶ違った方向だったけど、満足度の高い素敵な一本。
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