イトウモ

コラテラルのイトウモのレビュー・感想・評価

コラテラル(2004年製作の映画)
5.0
『コラテラル』を見返してこれが「反職業」の映画であることに感動した。
ヴィンセントの犯罪に巻き込まれる運転手マックスのほうは最初は被害者であるものの、徐々に資本家の手先として命令された仕事に従事する二人共が労働者であることに気付かされる。仕事を全うしようとするヴィンセントを食い止めるためにマックスはタクシーを横転させ自らの商売道具を破壊する
例えば、ここには自動車が決して列車のように映画の主役になり得ないセオリーが現れている。自動車は走るのを止める時にしか劇的になり得ない。劇的とは何か。ここで職業を放棄することで真に反社会的に、封建社会に楯突いて振る舞うのは殺し屋ではなく運転手のほうなのだ