ナーオー

コラテラルのナーオーのレビュー・感想・評価

コラテラル(2004年製作の映画)
5.0
心が震える大傑作!!
すべての台詞が、グサッと胸にささる…

個人的にはマイケル・マン監督の最高傑作でトム・クルーズの最高傑作だと思っています。生涯のベスト映画の一つです。

銀髪で無精髭、グレーのスーツに着た悪役"ヴィンセント"これを演じるトム・クルーズ。冷酷非情なプロの殺し屋で、無表情で淡々と殺していく姿はまるでターミネーターのようなのに、時々見せる表情など人間臭い。決して善人ではないけど、彼の言葉には不思議と説得力がある。ナイスガイなイメージなトム・クルーズだからこそ、この役がより深いキャラクターになっているだと思います。

タクシー運転手"マックス"を演じたジェイミー・フォックスもトムに負けないくらい素晴らしい!!夢を抱いているけど、なかなか実行に移せない中年のタクシー運転手。アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたもの納得の見事な演技でした。

また、ガンアクション描写にも注目。
マイケル・マン監督の過去作『ヒート』や『マイアミ・バイス』のようなリアルな銃撃戦。映画史に残る銃撃戦『ヒート』に負けないくらい今作も凄い。ズシンと響く銃声もマン監督らしく本物みたい。

アクション以外にも音楽や映像も素敵。
ロサンゼルスの夜景が美しい……
この「画」だけを見ていても飽きないくらい。綺麗な夜のロサンゼルスの夜景をずっと見ていたい……

トム・クルーズ演じるヴィンセントが言う

人間は10年後も同じ仕事をし、同じ場所に住んでいる。

皆変わる事に恐れ、変化を望まない。夢を語るだけ語り、それを叶える為に何もしていない。

ある夜、目を覚まして気づく、夢はかなうことなく、自分が老いたことを

記憶のかなたに夢を押しやり昼間からボーッとテレビを見続ける

この台詞がもうグサッと胸に突き刺さる。
これを聞いたマックスのある行動には失敗なんて恐れず、挑戦せよ!というメッセージにも取れました。

失うものなんかない!やればいいんだ!

アクション映画ではありながら、現実への問いかけもしっかりと感じ取れる、見事な傑作です。
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