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フレディVSジェイソンの消費者のレビュー・感想・評価

フレディVSジェイソン(2003年製作の映画)
4.3
・ジャンル
スラッシャー/ホラー/スピンオフ

・あらすじ
生前、“スプリングウッドの殺人鬼”として悪名を轟かせた連続殺人犯フレディ・クルーガー
膨大な人数の子供達を殺した彼は住民達の怒りを買い焼き殺されたが死してなお夢に巣食う殺人鬼となりエルム街を血で染めてきた
しかし接触した子供達は彼を忘れる術を覚え遂には地獄の底へとフレディを葬った
忘れられては力の源である恐怖を得られず殺しも続けられない
そう思い悩んでいた所、もう1人の殺人鬼が地獄に封じられた
クリスタル湖の不死身の殺人鬼ジェイソン・ヴォーヒーズである
フレディはジェイソンを甦らせ利用し自らの存在を再び子供達に知らしめようと画策
地元の保安官達は過去4年間フレディを蘇らせぬべく情報統制を徹底してきたがとうとう解かれてしまった封印
だがやがてフレディは自身の標的を奪い続けるジェイソンに業を煮やし2人は衝突する事となる…

・感想
少年少女の夢に巣食う「エルム街の悪夢」シリーズの殺人鬼フレディ・クルーガー
クリスタル湖のキャンプ場で無差別に殺戮を続けた「13日の金曜日」シリーズの殺人鬼ジェイソン・ヴォーヒーズ
スラッシャーの代名詞として双璧を成す2人がそれぞれ殺しをしながらぶつかり合う一大コラボ作品

過去に一度鑑賞した事はあったものの記憶が朧げだった所を「エルム街〜」の方のレビューで勝敗のネタバレを喰らってしまったので楽しめるか不安だった
でも実際観てみるとさすがに完全に勝敗が決まった訳ではなく一安心

ストーリーはフレディの差し金でエルム街へと現れたジェイソンの殺人から始まる
そしてフレディは最初から力が完全復活していた訳ではないのでしばらくはジェイソンの独壇場に近い
一方で精神病院という「エルム街〜」でも舞台になった事のある要素を上手く使いフレディの存在が瞬く間に広がり2人の“活躍”は交互に描かれるのでどちらの作品ファン目線でも満足の行く内容
しかも終盤ではジェイソンにフレディを殺させる為に主人公ローリ達がジェイソンをクリスタル湖に送り込むというのがまた嬉しい
無言で非道の限りを尽くすジェイソンと饒舌なジョークと共に夢の中で殺戮を繰り広げるフレディ
2人はそこだけでも対照的なんだけど現実と夢という各々の主戦場、火と水という互いの弱点(これに関してはジェイソンは水大得意だろと思ったけどw)などライバルとして機能する要素が豊富で素晴らしい

また両シリーズとも作品を重ねる毎にコメディ色が高まっていったけどそれは今作でも健在ながら内容を邪魔せずむしろ良い方向に高めていてその点でも良かった
開始間も無くおっぱいは出て来るし登場人物達もアホが多くてそれでいて友情ドラマもあったり…
殺人鬼同士の殺し合いと高校生達の対抗の塩梅も悪くない

そして何より最高だったのがゴア描写!
両シリーズのラスト作品からある程度時が経っている事もあり技術が進んでいて生々しくも時に笑える殺害シーンの数々はスラッシャーとしてもコメディとしても高レベル
首を捻って一周させたり斬首やら燃えたナタでの突き刺しやら…
若者達の殺され方が良いのは勿論なんだけどジェイソンとフレディも互いに傷を負っていって身体も欠損したりするしもう大満足ですわ…

加えて何気に良かったのがフレディ封印の余波がしっかりと描写されていたり主人公ローリの母の死の真相や父が隠して来た秘密なども分離せず殺し合いに繋がっていた事
スラッシャーやホラーはそのへんガバガバになりがちだから結構重要なポイントだった様に思う
ジェイソンの少年期も取りこぼさず悪夢として活かしていたのもめっちゃ好き
パメラも結構出て来るし

両シリーズのオリジナルを完走した上で再鑑賞して改めて良かったな、と
惜しい点としてはそれぞれの過去作へのオマージュがもっと散りばめられていたらなぁ…というのと恐怖演出が各初期作の様にガチガチになっていたらより楽しめたかな、という事くらい?
何はともあれ2つのオリジナルシリーズ計17作も観た後だからある種のカタルシスがあったしほぼ文句無し
残されたのは両シリーズのリメイク1作ずつ
そっちもちゃんと面白いと良いなぁ…

こうなってくるとマイケル・マイヤーズと誰かの殺し合いも観たい所だけどもう完結しちゃったもんなぁ
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