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ワンス・アポン・ア・タイム/天地大乱のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

5.0
中国、混乱の清朝末期。貧者救済と外国排斥をうたう白蓮教が広州に流布していた。だが、白蓮教は悪魔的なクン教祖(ホン・ヤンヤン)を崇める邪教の徒で、暴力による排外主義が街に恐怖を呼んでいた。漢方師で、高名な武道家である黄飛鴻(リー・リンチェイ)は、一番弟子の梁寛(マク・シウチン)、密かに想いを寄せ合う洋行帰りの同年代の叔母十三姨(ロサムンド・クァン)を伴い西洋医学の学会に招かれて広州へとやって来た。街に着いた一行は電報局を襲う白蓮教徒と遭遇するが、飛鴻の圧倒的な強さの前に、一団は逃げていった。翌日、学会に出席した飛鴻は、革命を志す若き医学者孫文(ジャン・ティエリン)と出会い、意気投合する。しかし再び教団の襲撃を受け、辛くも脱出した飛鴻と孫文は、再会を誓って別れた。翌日、教団はキリスト教小学校を襲い、現場に駆けつけた飛鴻たちは、教会の床下に隠れて難を逃れた二十数名の生徒たちを発見する。子供たちの保護を依頼するために、警察のラン提督(ドニー・イェン)に面会した飛鴻だったが、政情不安のため、白蓮教徒を刺激することはできないと言う。一方、十三姨と梁寛は、イギリス領事館へ子供たちとともに避難していた。合流した飛鴻は、キリスト教小学校の教師であり、孫文の後援者でもある陸(ジョン・チャン)と出会い、孫文との再会も果たす。孫文と陸を捕らえるため、ラン提督は白蓮教徒を利用して、領事館を襲わせた。その騒ぎの中、提督が領事を殺害し、領事館内に乗り込んで来た。飛鴻は白蓮教団を倒すため教団の神殿に乗り込み、クン教祖を倒した。飛鴻、陸、十三姨、梁寛は香港行きの船着場で落ちあうが、革命派の人々の名を記した名簿が領事館の倉庫に残っていたため、皆引き返す。そこへラン提督が現れ、飛鴻らは激しい闘いの末勝利を収めるが、陸は命を落とした。陸が命がけで守った革命の旗を船上の孫文に届けた飛鴻は、出航していく船の上の孫文と十三姨を、梁寛とともに見送るのだった。
黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)の活躍を描いた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズの第2弾。今回は、諸外国の排除をうたう白蓮教なる秘密結社が登場、広州を訪れた黄飛鴻(ジェット・リー)たち(弟子のフー役はユン・ピョウからマク・シウチンに交代)に襲いかかる。 カルト教団「白蓮教」が街を席巻。これに革命を夢見る「孫文」や敵対する清朝が複雑にからむストーリーが展開する。
ウォン・フェイフォンが、孫文と友情を結び交流する中で国を変えるために何をすべきか目覚めるストーリーが秀逸で、シリーズ随一と評判も高い。白蓮教の教祖(ホン・ヤンヤン)とフェイフォンのアクロバティックなカンフーバトルも迫力たっぷりだが、ドニー・イェンが強靭な手首で布を棒状にした布棍で襲いかかりジェット・リーが竹の棒で立ち向かう壮絶な対決は、殺気みなぎるカンフー映画史上に残るファイト・シーンです。
何故ジェット・リーとドニー・イェンがカンフーで戦わなかったのかというと、ふたりが北京武術体育学校の先輩後輩でライバル関係だったので、ふたりのプライドを保つ形で、このような武器でのバトルになりました。
ふたりの関係が修復するには、「英雄ヒーロー」で再共演するまで待たなくてはなりませんでした。ジェット・リーとツイハークの間でギャラの問題で揉めたり、裏でのトラブルを感じないくらいの傑作カンフー映画です。
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