Jimmy

明日の記憶のJimmyのレビュー・感想・評価

明日の記憶(2005年製作の映画)
2.8
この作品、観てみるとなかなかの力作であった。

バリバリの会社員(渡辺謙)が、ちょっとした名前が思い出せなくなるあたりから病気の兆候があらわれる。だんだん会社生活するには困難な状況になってきて、退職して過ごすが、よくなる病気ではなく、悪くなるのを遅らせる薬を飲むのが精一杯とのこと。

渡辺謙が病気に苦悩する姿と、それを支える樋口可南子、会社の部下たち(水川あさみ等)、会社の取引先の男(香川照之)、樋口可南子をサポートする渡辺えり子、など出演者も脇で良い姿を見せてくれるが、とりわけ素晴らしかったのは大滝秀治である。物語終盤で、渡辺謙と大滝秀治が山の中でやりとりする場面、大滝秀治が「生きていることが大事」という科白は心に響いた。

「このあとどうやって暮らしていくんだろう」と死ぬまで治らない病気と闘わなければならない人間のことを考えさせられた。
病気の話なので楽しくはないが、人間の残った時間を考えさせられる映画である。
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