登場人物が、感じ、目撃したであろう事象がそのまま、若しくははそれしか、カメラは捉えていない。このソリッドさは、なかなかの冒険で真似できない。発見されたビデオテープという設定とは言え、起承転結が分かりづらいんだから。「食人族」よりも、なんの文明批判も人道批判もない、オチもない(あるけど)、ただただ尖ってる。
前半の、凡庸な、なにも味付けされてない町民のインタビューの内容が、森に深く入り込んだ三人と視聴者の想像と推理に、考えたくない、あり得ない禍々しさをどんどん肉付けさせていく。途中つまらないなんて全く思わなかった。上手いとしか言いようがない。オチに至っては、もはや落語のようなくだらなさと切り口。
素材の良さを塩振って出した作品がコレだとしたら、白石晃士の「ノロイ」や「オカルト」は徹底的に、素材の良さを活かしたフリをしておいて、実はホントに無調理でしたっていう、素晴らしい料理。視聴者さん方わかってますよね、ヤラセですから…からのスタジオでの怪奇現象というか。入れ子構造と言えばいいのか。どちらも素晴らしい。
当時劇場で見た時、嬉しくて悲鳴あげそうになりながらニッコニコしていた思い出。
どこかでで遭難して、やらせ臭くない、パーティのリアルな亀裂が始まると嬉しくて仕方ないw