BOB

シェルタリング・スカイのBOBのレビュー・感想・評価

シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)
3.4
ベルナルド・ベルトルッチ監督による"オリエント三部作"の第2作。

1947年。アーティストであるアメリカ人夫婦が、新しい刺激を求めて、北アフリカの港町からサハラ砂漠の奥地へと旅をする。

"Because we don't know when we will die, we get to think of life as an inexhaustible well, yet everything happens only a certain number of times, and a very small number, really."

倦怠期夫婦が、美しくも過酷なサハラ砂漠を彷徨うロードムービー。

良い映画なのかそうでないのか非常に悩ましい作品だった。名撮影監督ビットリオ・ストラーロの映像美、坂本龍一の哀切のある伴奏、未知の世界に飛び込んでいくトラベラー感や現地のリアルな空気感など、映画ならではの魅力は十分にあった。一方で、ストーリーやキャラクターの心情は非常に追いづらく、興味を保つのに苦労した。原作が読みたくなる作品だった。

毎度ながら、ビットリオ・ストラーロの撮影が美しい。官能的で激情的なメロドラマシーン(赤・オレンジ色)と、月夜のサハラ砂漠を進むキャラバン隊のシーン(青色)が印象的だった。

白人至上主義的な視点も、"正しく"映像化されていた。

『愛と青春の旅だち』や『愛と追憶の日々』のデブラ・ウィンガーと、ジョン・マルコヴィッチの好演。嫌味なイギリス人夫婦の夫役に、『ハリー・ポッター』ピーター・ペティグリュー役のティモシー・スポール。

"A tourist is someone who thinks about going home the moment they arrive."
"Whereas a traveler might not come back at all."

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