シェルタリング・スカイの作品情報・感想・評価・動画配信

「シェルタリング・スカイ」に投稿された感想・評価

愛を取り戻すために命がけで旅をするような世界。
(=^・^=)


http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=15900&key_search=%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4
kh

khの感想・評価

4.0
シェルタリング・スカイ。もう満月の見えない空。
陶器のカケラの墓。砂。埃。熱。風。光。月。肌。性。そして声。手拍子。蝿。人間。これぞ映画と思わされる絵。そこからだんだんと言葉が消えていき、次第にプリミティブな要素で埋められていく絵。見ているこちらに生理的に作用してくる。本当に催した目眩と吐気。人間と動物と、その間に窪んだ孤独。愛すれば愛するほど孤独になるのは人間のさだめらしい。最後のシーンの迷い子のような足取りと眼差し、そこに凄まじいリアリティを感じた。
観光客ツーリストと旅行者トラベラーの違いは、前者は帰るが、後者は帰らないこともある。人生は観光か?旅行か?旅上で死ぬならトラベラーか?しかし死を帰還と捉えるなら人生はむしろ観光か?
映画全体で提示される美しさと不穏さが煽り立ててくる不安。どこに転がるか分からない筋書きと相まって圧倒されっぱなしだった。観終わったあともずんと胸に残る。
R

Rの感想・評価

3.8
ベルナルド・ベルトルッチ監督作品。『ラスト・エンペラー』に続く、オリエンタル三部作の1本であり、相変わらずヴィットリオ・ストラーロのキャメラが美しい風景を切り取っていく。
自分の人生の時間は無限にある気がしていたが、この映画を観た後には「自分の人生の時間は有限なのだから、今過ごしている一瞬一瞬を懸命に生きなければ…」という気持ちになる。


物語も素晴らしく、ニューヨークの街中がモノクロ映像で描かれた直後、ある夫婦と友人が何処かに船の長旅でやってくるところから始まる。

夫婦と友人男性はサハラにやって来た。アフリカである。
夫のポート(ジョン・マルコヴィッチ)とその妻キット(デブラ・ウィンガー)の二人は単なる観光客としてではなく旅人(TOURIST)としてやって来た。どうも、夢さえ失った彼らが文明と切り離された自然で自分達を取り戻す旅としたかった様子。

旅の道連れとなったポートの友人タナー(キャンベル・スコット)は彼らほど長くアフリカに滞在するつもりはなかったが、好意を持っていた友人の妻キットと肉体関係を持つ。
(あのデブラ・ウィンガーが体当たりのセックス場面を演じていたのはチョット驚き。)

この辺りで、この夫婦は結婚10年であり、愛を見失っている雰囲気が分かる。
なるほど、だから3人でホテルに泊まる時も夫婦なのに別室だったのか…と思う。

アフリカを転々とする彼らだが、たくさんのハエが飛んでいる場面などは凄い。

やがて、夫ポートが疫病にかかったあたりから物語は急展開を見せていき……
といった物語が、サハラ砂漠やそこを並んで進むラクダとともに描かれ、とりわけ綺麗だったのは「太陽の光」。さすがヴィットリオ・ストラーロ撮影監督。
また、坂本龍一の音楽も良かった。

見応えのある、なかなかの佳作であった。
Maoryu002

Maoryu002の感想・評価

3.0
第二次世界大戦後、北アフリカに降り立ったキット(デブラ・ウィンガー)とポート(ジョン・マルコヴィッチ)の夫妻。友人のタナー(キャンベル・スコット)のガイドのもと、夫婦は冷えた関係を修復すべく旅を始める。

ベルナルド・ベルトルッチ監督による夫婦の愛の物語であるとともに、自由で過酷なロードムービーでもある。
アフリカの過酷な自然と圧倒的な風景が印象に残る。
特にポートが亡くなるスバの町からの夕日が素晴らしい。

映画は美しく圧倒的な力を持つ自然の中で、無力で孤独にさまよう現代人を描いていたように感じたが、とにかく話が難解で隠喩が多くて、どう解釈していいか悩ましい映画だった。
そんなことは考えずに、非現実的な迷路のような世界を、大自然の絶景とともに楽しむのがいいのかもしれない。
EnCeTempLa

EnCeTempLaの感想・評価

4.2
壮大な砂漠の景色の美しさ、キャラバンの異国情緒が見事。これだけ開かれた空間の中で、シェリタリングスカイとは、如何なる意味なのか。
アフリカ大地&砂漠の圧倒的存在感、青い澄みきった空は文明の地と繋がっている筈なのに迷路のように抜け出せない果てしないアフリカ奥地を彷徨うポートとキット夫婦。結婚10年を過ぎた2人の覚束ない愛の所在を確認する旅でもあったが、夫は疫病感染で死んでしまい答えは出ずに終わる。夫は岩窟娼家で財布を抜き取られ袋叩きに、妻は夫の死後ラクダ隊商の多婦世帯の囲い者にされる悲惨な旅路、何を好き好んでこんな未開の地を訪れようとしたのか理解に苦しむ。画面で景色を愛でるかホンの小一時間現地で絶景を眺める分には魅力的な大地だが、蠅が飛び交い極寒酷暑の未開の地で愛を確かめ合おうという気にはとてもなれない。出発地点の寄港地グランドホテルのカフェに戻ってきたキットに老人が〝道に迷ったのかね?〟と呟く。永遠の時を信じて迷い彷徨ううちにいつしか終焉の時を迎えている人生の儚さ。ベルトリッチの意を汲むには様々な哲学的思索を必要としそうな映画でした。
lag

lagの感想・評価

3.5
見せておきたかった砂漠とオアシス。アラブ民謡と不穏なクラシカル。異国であるフランス語圏アフリカを当てもなくいつまでも彷徨う。粘り気な貪り。不衛生なハエと疫病に奪われ言語と輝きを失ってゆく。町へは戻れない。
はす

はすの感想・評価

4.0
オレンジが綺麗。観てて面白いというよりはふと思い出すタイプの映画な気がするから、面白くはないけど観てよかったような気がする。そんな気にさせる。
目に焼き付く夕日のオレンジ、砂漠の褐色。
のっけから漂う不穏な空気に、ああベルトルッチの映画が始まったとワクワクさせられる。

それにしても、毎度ながらロケーションがすごい。
途方もなく雄大で、作品世界にどっぷり魅せられた。
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