このレビューはネタバレを含みます
今度の敵は地上げ屋と新興宗教で、前作では笑える屑の財テクくらいのものだったが、本作ではやくざだけでなく政治家も使い、手口がさらにえげつなくなる。
亮子と鬼沢ら今回の敵役がドラマ的に交わることはなく、そのため地上げ屋を中心とした裏の関係性が強く掘り下げられる。人を食い物にした悪人たちは胸糞が悪い。
ガサ入れからの流れも基本は前作で見せたので異なり、駆け引きの攻防ではなく、人間の繋がりで隠蔽しようとする。緊張感がありつつも危機はなかった前作に比べ、宗教法人へのガサ入れで証拠が見つからなかった際の風向きだったり、直接の命のやりとりがあり、緊迫感が生まれている。
鬼沢のラストは物悲しく、亮子……マルサ側のラストシーンは、まさしく“笑い声”が響く後味の悪いものとなっている。悪とは何なのか、という問いかけが空恐ろしい。