惜しいかな二作目にしてパワーダウン。
一作目よりエンタメ色が強くなり、悪く言えば受狙いの凡作となってしまった。
スケールアップしたのが逆効果。
あまりに巨悪過ぎて、太刀打ちできないのが見えてしまうことと、そのせいでスッキリしないオチになったのも原因の一つ。
勿論ダークな問題を残した落とし方はアリなのだが、コメディ色を強くしてエンタメに走ったのならやはり最後はスッキリさせてほしかった。
また、悪役に魅力がないのもマイナス。
というか、一作目の山崎努が演じる権藤が魅力的過ぎたというのが正直なところだろう。
普通の邦画なら良い出来と褒められるのだが、あの前作の続きで、伊丹監督作となるともう2ランクは上を行ってほしかったところだ。
まぁ、今の政治献金関連の一連の事件のオチも、今作のようになる気がするってことは、先見の明は素晴らしいってことだろう。
余談。
今作一番の観所は、なんといっても笠 智衆のあの独特なセリフ回しが聞けることだろう。
って言うか、本当に歳をとり演技ではなくてあのしゃべり方になっている気もするが、小津の世界にトリップできる嬉しい場面。