菩薩

ゴールキーパーの不安の菩薩のレビュー・感想・評価

ゴールキーパーの不安(1971年製作の映画)
3.8
決定的な負け試合なのにいつまで経ってもホイッスルがならずアディショナルタイムが継続していく。時代的に言えば延長であろうとさっさと一点決めてくれれば試合が終わるのだからさっさと決めてくれとなかば呆れ気味に、それでも宙ぶらりんな状態が続くことに対する不安。ADHD気味にあっちに行ったりこっちに行ったり一つところに留まることが出来ず挙句知人に注意すら受ける。ただ彼の天職はやはりゴールキーパーなのだろうし、誰に注目を受けるでもなく常に駆け引きを続け裏をかく事もやめられず、そうこうしている間に彼の中ではおそらく何かが壊れている。決して面白い話と言うわけではないが何故かちょっと分かってしまうものがある。ただ漠然とした不安が目の前にあり、それから逃れる為の旅が続く。
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