縫い裁つりんこ

ザ・グレイ 凍える太陽の縫い裁つりんこのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・グレイ 凍える太陽(2012年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2人のジョンの片方は死へ、もう片方は生存へ。決断できずに死んだ者と最期を自分で選んだ者という図はある意味、これまでの人間社会の縮図のようで、雪原でのサバイバルを通して「どう生きたか?」を問いかけてくるような映画だと感じました。

私も絶対に悲惨な死に方はしたくないから、どうしてもサバイバル映画は感情移入して観てしまうんだけど、今作は序盤から希望が無い状況だと認識させられるので、観てる側も辛くて「絶対こんなところで死にたくない」って叫びたくなる。
ああ、もうここで死ぬんだろうなという諦観とどうしても振り切れない死への恐怖、生への執着の間を行き来する遭難メンバーの心の揺れがかなりわかりやすく描かれているのが尚更で、いくら最強のリーアム・ニーソンだって天に唾を吐きかけるのは当然だよね。でも上に吐いた唾は落ちてくるものなのがまた切ない…。うまく言ったようで言ってないけど、ラストの絶望感がすごすぎて、これはから笑いしてしまう。リーアム・ニーソンがせっせと戦う準備をしている間、待ってくれるボスオオカミが良い狼で良かったでほんと…。

ただ今作のリーアム・ニーソンも妻を失ったトラウマで振り切れててやっぱり強いからちょっと安心する。エンドロール後のオマケを観るとボスオオカミと刺し違えてるか勝利してるみたいだし…。もしそうなら狼とか素手で全滅させてきっと生還してきそう。