縫い裁つりんこ

哭声 コクソンの縫い裁つりんこのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

たまにふんどし一丁の國村隼が四つん這いで追い回してくるホラー。

序盤が結構モタモタしたのほほんコメディなのに中盤から急展開。
滅多に事件が起きなかった平和な辺境の村で次々に起きる猟奇的な惨殺事件は悪霊・悪魔の呪いか、それとも人災なのか…と数々の意味深なシーンを通して観る側を悩ませてくる。しかも伏線回収とかもあまりないので、意味深そうなだけで意味はないのかもしれない。謎。
最終的にこの映画はホラーだったのか、シュール系だったのかわからなくなってしまうデビル國村隼のねっとりとした問いかけのラストシーンは鑑賞後になんともいえないモヤモヤ感と謎を残していくので、複数人でワイワイ観て、あれは〜これは〜とこの映画について議論すると楽しいかもしれない。

ぶっちゃけ鑑賞時間が体感的にめちゃくちゃ長い。特に最後のあたりはもっと短い時間でまとめろよー!ってなる。だけど韓国映画あるあるな人々や文化の肉食さが濃く描かれていて、不意打ち的に笑わせられる。國村隼を殺しに行くゾー!と団結した村人が勢いだけで殺傷性の高そうな農具とか、何に使うのかわからないジョウロとかとにかく思いついた物を軽トラの荷台にぶち込んで爆走していくシーンとか、バラバラの死体を見て吐いた後すぐに焼肉を食べに行くシーンとか映画の中の村人の暮らしや考え方がとにかく肉食傾向。みんな元気。

後、祈祷師役のファン・ジョンミンがこれでもかというほどの胡散臭さを発しててすごい。変なアップリケついてるナイキのジャージはカッコいいけど下はふんどし。なんでパンツ履かないんだろう。