縫い裁つりんこ

ジョン・ウィック:チャプター2の縫い裁つりんこのレビュー・感想・評価

4.5
『ザ・レイド2』みたいな個性豊かな暗殺者のオンパレードかと思いきやダイジェスト的に戦いが過ぎ去ってしまって、殺し屋ソムリエ?とかそれっぽい組織が登場しても豪華になっただけで、前作ほどのカルトさが逆に薄れたような気がする。前作以上にジョン・ウィックの人間関係の過去をすっ飛ばしたストーリー展開だからいつか補完がくるのかなーと思いつつ、永遠に補完しなくてもいいかなって思う。

その代わり今作ではキアヌ・リーヴス自前のガンアクションスキルが存分に発揮されてて、前作でもあった銃を握ったまま手首のスナップでマガジンを飛ばしたり、敵をショットガンの銃身で抑えながら弾を込めたり、ふわっと片手で銃を持ち替えてチャンバーチェックしているシーンとか戦闘シーンのディテールにタクティカルっぽいこだわりがチラチラ見えてすごく楽しかった。フィッシュバーンにもらった7発しか弾が入ってないM1911?を敵から奪ったマガジンで使い回して戦ったり映画の戦闘シーンなのに妙な実戦っぽさをすごく感じる一方で、今作も何発ヘッドショットを決めるんや…というファンタジーも忘れない。ファンタジーといえばコモンとサイレンサー撃ち合う地下鉄バトルも子供のケンカみたいでファンタジー。命賭けてるのにどこかほっこりして観てしまうのはなんだろう。前作はむしろガン=カタ寄りだったガン・フーに柔術が多用されていて、よりフットワークに重厚感とアクの強さが増してきた気がするし、本編開始直後に愛車で人を殴り殺してボディをボコボコにするシーンを観て、あーめちゃくちゃ強いのにどこか仕事が雑なジョン・ウィックが帰ってきたな…とは思わずにはいられなかった。要人暗殺が目的なのになぜ彼はいちいち皆殺しにするのか?放っておいてやれよ!って思うぐらいなんで周りはいちいち彼に構うのか?なんだかんだで今作もアクが強くて楽しかったし、次回作が楽しみ!