登場人物たちが超能力を発揮する場面では、観ていてこちらも力が入ります。
その力みを特撮が誇張するという戦略が、うまくハマったのでしょうね。鼻から血が出たり、血管が浮き出たり、しまいには頭部が爆発したり……うちなるパワーの爆発の表現のあり方に、多大なる影響を与えた映画なんだなぁと、痛感いたします。
低予算で、魅せる。要は映画も表現の工夫次第。金かければいいってもんじゃありません。
敵方の刺客が登場するたびに、妙に銃器にこだわるようで、クローネンバーグの銃への偏愛が滲み出ていました。ここはマイケル・ムーアに説教してもらわないと。
終わり方も、『世にも奇妙な物語』的な、ホラー短編の余韻がございます。肉を切らせて骨を断ったのか、はたまた完全に敗北を喫したのか。
今観ると長閑な感じもしないではありませんが、編集は一日の長がございます。