Foufou

ブローニュの森の貴婦人たちのFoufouのレビュー・感想・評価

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最近唐十郎が亡くなりしたね。ブーローニュの森といえば佐川くんですが、どうでしょう、彼は本作を見たんでしょうか。

猟奇的な犯罪欲を掻き立てるような映画ではもとよりございません。以降のブレッソンを何本か見てしまっているわたくしとしては、「おや、ほんとにブレッソン?」とは冒頭からなります。まず役者が役者らしい演技をしてますからね。ただ、演技がうるさいということは全然ありません。役者からすると、もっと見せ場が欲しかったのではないか。

原作ドゥニ・ディドロ、脚本家ジャン・コクトー。もはやちょっとしたフランス文学史ではございませんか。時代はいつ頃だろう、エレベーターも車もございますからね、同時代ものとして撮られてると見て差し支えないんでしょうね。いわゆるミストレスとか踊り子とか、そういった人たちが平生どのように生きていたのか、社会的な資料としても見るべきものは多いと思われ。

プロットはおくとして、演出において天才の光る映画です。まあ、最後はお約束。愛は勝つ。わたくしは美しさに打たれました。素直なんで。
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