Foufouさんの映画レビュー・感想・評価

Foufou

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サニー/32(2018年製作の映画)

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前情報なしで本作をご覧になりたい方は、以下閲読無用。

14年前、当時小学生だった少女が、同級生を密室で殺害。少女の顔写真がネットに出回り、「犯罪史上もっとも可愛い殺人者」として一部の人間のあいだで神
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

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青春映画です。
時代は関係ありません。
誰にだって、多かれ少なかれ青春はある。その甘さも苦さも、大同小異だということです。

私が嫌いなアングラ時代の昭和が舞台ですが、大いに泣けました。酒場で喧嘩を売
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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

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なるほど、本作がなければ、『孤狼の血』も生まれなかったわけだ。こうやって監督作品を辿っていくと、「作家性」とやらがそれでも見えてくるのだから、映画はやっぱりおもしろい。

綾野剛なんて(オールドメディ
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バタフライ ルーム(2012年製作の映画)

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題材はいいのにね。蝶の標本作りと幼女趣味のカップリングだもの。そこにサイコパスが加われば、それなりのホラーができあがるはずなのに、まぁ、詰めが甘いわな。

ニューヨーク?のアパートというロケーションも
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

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これは掛け値なしにおもしろい!
1と合わせて見て、邦画エンターテイメントの最高峰を刮目せよ! とでも啖呵を切りたいくらい。お陰で毎日が楽しい。

バディものですけど、ダークヒーローものでもあるし、スパ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

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冒頭から目を覆う展開です。

泥と豚、イーストウッドの『許されざる者』を彷彿とさせます。あちらは、イーストウッド自身が豚を追い回して不様に横転して泥だらけになる、という展開でしたが。こちらは、豚の糞を
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凶悪(2013年製作の映画)

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冒頭から目を覆う展開。

60年代に日本で任侠ものが開花、その暴力描写が輸出され、たとえばジョン・ウーやタランティーノのような映画監督がそれをポストモダン化する。それがさらに逆輸入され、その返歌となる
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

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なんだ、このベタな演出は……と、辟易させられ通しだったのが、終盤で、なるほど、そういうことか、となる映画でした。蒼井優が柿の種をバラバラっと落とすシーンなんて、うげっとなりました。それが反転したときに>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

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死刑にいたる……というのが、そもそも引っかかります。我が国の法制度においては、ということになるし、そのような恣意性の高い事象と、「病い」という、人為ではどうにもならない事象をダイレクトに繋ぐというね。>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

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タイトルは、オアシスの《Don’t Look Back in Anger》を踏まえているのかしら。

すべてのクリエイターたちに捧ぐ応援歌であり、レクイエム(鎮魂歌)でもある。とてもとても、嗚咽せずに
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国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

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ファン・ジョンミンのファンですが、ちょっとこれにはおいそれとは手が出ませんでした。タイトルからスチールからね、もう「泣きにいらっしゃい」オーラがハンパないですからね。別にこちとら、泣きたいわけではあり>>続きを読む

4人の食卓(2003年製作の映画)

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サブスクに上がっていたからという理由だけで覗いてみて、冒頭から夜の電車の丁寧なカット割に瞠目して、そこから目が離せなくなりました。一々の絵が、決まっているのです。奇跡のような作品。

『猟奇的な彼女』
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武士の一分(いちぶん)(2006年製作の映画)

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山田洋次の藤沢周平三部作のトリ。

すっかり見ているつもりでおりました。キムタクか……くらいに思って、うっちゃっていたのかもわかりません。失礼な話です。

真田広之、永瀬正敏、ときてからの木村拓哉です
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サンライズ(1927年製作の映画)

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映画評論家のあいだでとかく評判の高い本作。近所のTSUTAYAは潰れてしまったし、それほどの作品ならばと、DVDを買うことも辞さずですが、Amazonの中古が13,000円からとは気が引ける……。>>続きを読む

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)

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小1の娘と二人で見ました。
私も娘もナマケモノが大好きなので。

小さな子どもにとってのホラー入門としては、最適、なのかな?

実に健全です。

いまどきこんな映画が公開されるとは、一周回ってすごいな
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

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冒頭の、満開の桜の枝越しに俯瞰で撮る江戸の往来の絵とかね。この、「……越しに撮る」の一つ取っても、撮影手法の次元から往年の時代劇へのオマージュが止まらない映画とはわかります。ああ、ここは溝口のあの映画>>続きを読む

太陽と踊らせて(2020年製作の映画)

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クラブやディスコに(残念ながら)行ったことのない私には、DJが実際何をしている人で、何がスゴいのか、まったくわかっておりません。

この映画を見てもわかったとは言い難いのですが、目の前の観客?のノリを
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ひみつのなっちゃん。(2023年製作の映画)

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ジャケ写に惹かれてつい覗いてみる。

最近どうも映画を通しで見ることが出来なくなった。ちょっとした作為的な演出にもう萎えると言いますか。盗み聞きをしている主人公がつい物音を立ててしまう、とかね。そんな
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IKKA:一和(いっか)(2002年製作の映画)

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國村隼が見たくて見てみました。
冒頭のピザ配達のシーンで、なかなか良いセンスいってるのではと思わず身を乗り出すも、ファミレスのシーンの冗長さにたちまち萎える。

タイトルのダサさがもう致命的。

國村
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オーディション(2000年製作の映画)

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三池崇史がその歴を正統派で出発したのが偲ばれる作品。彼はどこかで何かを捨てた監督なんでしょうね。そして何を得たかはさておき。

かつて時代の寵児ともてはやされた村上龍(原作者)が、今般ポリコレ的にどう
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秘花 〜スジョンの愛〜/オー!スジョン(2000年製作の映画)

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「破瓜」をここまで執拗に描いた作品をほかに知りません。ちょっと生々しくて、嫌いな人は嫌いかも。

この生臭さが初期にあっての、現在なんですね。ただ、生々しさばかりで終わらないのがホン・サンス。この十五
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

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畳の居間で真木よう子と井浦新が対座するときのですね、井浦新の躰の大きさがもうそれだけで泣けてくるのでした。

LOU ルー(2022年製作の映画)

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ちょっとヤバいくらいにつまらない。
ルー、弱過ぎ。
火薬少な過ぎ。

イランでなにをしたのかもよくわからんし。小児性愛者に我が子を売った? 仄めかしばかりじゃわからんよ。

母と息子の確執とか草。

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

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思いがけず佳作でした。
自閉症の49歳を笑っていいものか躊躇されるところですが、遠慮なく笑わせてくれる映画です。

(妻と子らが先に見て、しばらくこの映画の話ばかりしていて、別の映画を見終えた直後、短
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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

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パリオリで銀メダル取った卓球選手が記者会見で「帰国したら特攻隊資料館に行きたい」と発言して話題になってるようですが、多分この映画を見たか原作を読んだかしていての発言だったんだろうなと推察。

小五の娘
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

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シリーズものは2が傑作なんて言われることもあるようですが、出涸らし感ハンパなくて不発に終わることだってままあります。

1はゴーストワールドの世界観を下地にガールズトークがオジ心をくすぐったものですが
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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2011年に監督自身が撮ったBeauという7分弱の短編が下地とか。

ポール・トーマス・アンダーソンの『インビバレント・ヴァイス』を思い出しました。どちらも主人公は同じ俳優ですが、これ、偶然ではないか
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

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古川琴音に釘付けになる映画。
童女の顔が、ふとした瞬間に老婆になる。これは天性のものですね。この人でこぞって日本の監督が映画を撮りたがるの、よくわかります。

しかし古川琴音という女優の魅力が伝わるの
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Pearl パール(2022年製作の映画)

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この退屈さの既視感たるや……。
ちょっと『ジョーカー』を彷彿とさせます。

しかしミア・ゴスの長台詞のワンカットといい、ドアップの長回しといい、それに耐え得る怪演かと言われれば、首を傾げざるを得ない。
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(2023年製作の映画)

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これは寒い。
色々と。
お話自体、本能寺の変から山崎の合戦までの概要を知る日本人であっても、かなりわかりにくいのではないか。

たけしがたけしを演ずればおのずと秀吉になる、くらいの慢心はありそうですね
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

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日曜の楽しい夕餉のあとにわざわざ映画館に馳せ参じて見る映画ではございませんでした。

いわゆる「胸糞映画」の一。若くて思慮深い女性教諭が視点人物。彼女の赴任した小学校で「問題」が発生している。職員室で
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

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あのデス・ロードをどうやって超えるのよ……なんて一ファンは思ってましたけど、まったくの杞憂でした。

デス・ロードを撮ってしまった監督が柳の下の泥鰌を狙うはずもなく。そんな小さい志では大望は果たせませ
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俺物語!!(2015年製作の映画)

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こんなん泣くに決まっとろーが!

こんなん日本映画得意なんね。
好きなのに好きと言えないとか。
純真ゆえに誤解されるとか。
てか、日本漫画が、か。

でね、世にいう日本的なイケメンというやつの「頼りな
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シティーハンター(2024年製作の映画)

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鈴木亮平ファンを量産しかねない快作。

そうそう、私が「ほっこり」なる京言葉を使わないのは、「もっこり」のせい。「もっこりバイアス」による「ほっこり回避」は、バブルの恩恵に与れなかったわびしい世代の刻
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愛のメモリー(1976年製作の映画)

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原題はobsession。
久々のブライアン・デ・パルマです。私のかつてのお気に入りは『ファントム・オブ・パラダイス』。その後ロック・オペラ『トミー』とか『ロッキー・ホラーショー』とか、関連作?を見て
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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

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本作でメリル・ストリープは1983年度アカデミー主演女優賞に輝いている。『タクシー・ドライバー』のロバート・デ・ニーロの演技を見て開眼、その後デ・ニーロから指名されて78年にチミノの『ディア・ハンター>>続きを読む