りえあおき

スキャナーズのりえあおきのレビュー・感想・評価

スキャナーズ(1981年製作の映画)
3.8
現代人は大なり小なり 自分の話と感じるんじゃないのかな。私は 自分の話だと感じる。過敏さが邪魔をして孤独に陥る

オープニングが好きで そこだけ時々みかえす一作。ショッピングモールで追跡、というだけなのに 絵が決まっていて 引き込まれる。からの ドッヒャー

俳優の演技力と撮影や音響、編集の技術で スキャナーの能力や影響を表現しているのが 見事で痺れる。映画的。ここぞという時に どっかーんとSFX

静謐なトーンに 突然の暴力。個性的な作風。個性的なテーマ。ただシンプルな話なのに 説明などは曖昧なので 分かるようで いつも良く分からない笑

スター・ウォーズのフォースに特化した現代の物語りにもみえた。幻魔大戦も思い出したし 黒沢清なんかも。

スキャナーは 正気を保つために 彫刻やアートに取り組んでいるくだりは 芸術論的でもあって納得。

私個人は ニュースや事件に共感しすぎて疲れ切ってしまうたちなのでスキャナー達をちょっとした同族に感じる。

疲れてる時にこの映画を観ると 、私だけじゃないんだなーと少し心が軽くなる。暴力性もあるけど 過敏な人間をうけとめる 優しさも共存する不思議なバランスの世界観。

こないだ #最狂絶叫計画 ってパロディ映画をみたら 撮影格好よくって、調べたら デッドゾーン スキャナーズ スクリームの撮影監督で。パロディだけど本家のカメラマンの頼むの お洒落だなーと見直した。