catman

スキャナーズのcatmanのレビュー・感想・評価

スキャナーズ(1981年製作の映画)
5.0
1981年公開。クローネンバーグ。大友克洋を含め、後のサイキック系SFに多大な影響を与えた傑作。ディック・スミス師匠によるかの有名な頭部爆裂シーンのインパクトは強烈で、謎めいたオープニングから続けざまにこのショッキングな映像的ハイライトを序盤に持って来る無駄のない展開が凄くいい。但し脚本は些か大味。それでもクラシックな画作りの中に差し込まれる最小限のSFXで違和感と不安を煽る効果を上げつつ、徐々にテンションを高めて緊迫感&外連味たっぷりのクライマックスへ向かって突き進むスタイルは同監督の『デッドゾーン』に通ずる味わい深さがあって良き。
キャストの中では悪役のマイケル・アイアンサイドがピカイチ。主役を圧倒する才気と存在感。この人も顔面力が高い。アイアンサイドって名前もカッコイイ。パトリック・マッグーハンの役所はお約束過ぎて先の展開を何となく予見出来てしまうけど、ファンとしては彼の渋いご尊顔と芝居が観られるのは嬉しい限り。ヒロインはほぼ空気ながらめちゃ綺麗。MVPは序盤でアイアンサイドに頭を吹っ飛ばされるおじさん。彼の熱演を無くしてあの名シーンは生まれなかった。異論は認めます
catman

catman