錦之助が名作と名高い長谷川伸3部作より先に演じた子母沢寬原作の股旅ものでこちらも傑作。
丘さとみの父親で大親分の大河内伝次郎が悪い親分(御多分に洩れず十手持ち)の藤田進に殺されるんだがそのやり方が変わってて面白いし、敵討ちのためりゃんこの弥太郎(錦之助)がふるう刀の切っ先が空振りまで殺気立ってて緊迫感がハンパない。
そしてイカサマ師の千秋実がいい、『遊侠一匹』の渥美清より断然いい!彼の一世一代のイカサマに完全に騙されたし、それに藤田進の「裏切ったな」に対し「××××××」て言うし最高。
宵まつりで錦之助と丘さとみが盆踊り(フォークダンスみたいな)をおどるシーンはこっちまで愉しくなる名シーン。
モノクロ 1960年2月23日公開