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プロジェクトBBのmatchypotterのレビュー・感想・評価

プロジェクトBB(2006年製作の映画)
3.6
これはもはや今までの“プロジェクト”ではない。
ジャンルもアクションよりもコメディのような気もしないでもないし。
だけども、これはこれでぶっ飛んでて、ぶっ飛んでるだけにドラマチック。

《ご長寿の映画》Part.Ⅳ、Vol.19。
『プロジェクト』シリーズ、第5作目。もはや、“プロジェクト”なのか、どうなのか。

今までの“プロジェクト”のジャッキーはどちらかと言うと悪事を突き止めて、拿捕する側で、そのアクション、アドベンチャー、サスペンスだった。

今回は彼の設定がそっちじゃない、拿捕される側。
ギャンブル狂いの“金庫破り”。
3人チームで富裕層から金を盗んで生計を立てている。

今回もその盗人“プロジェクト”の途中、チームのリーダー的な彼に“金庫破り”を教えた大家が暴走して赤ちゃんを拉致、、、これが運の尽き。

金に目が眩んで、一線を超えてしまう。
おまけにその大家が留置所に送られて、2人で赤ちゃんの面倒を見る羽目に、、、。

今ならかなり叩かれそうな赤ちゃんのお世話珍道中。
ただでさえ誘拐しているのに、自分の生活や人間関係でその日暮らしなのに、慣れない乳幼児の育児に明け暮れる。

赤ちゃん、かなり、ぶっ飛んだ扱い。
今の世の中、こんなことしたら世間がSNSで黙ってないレベル。

ありとあらゆるシーンでベイビーがとんでもないことになり、その度にジャッキー達が死戦を潜り抜ける、間一髪で、、、ベイビーと。
色んな意味でハラハラが止まらない。

だけども彼らは真剣そのもので、何とか赤ちゃんの世話に奔走するが、その子育てが結果的に彼らの母性というか人間臭さを呼び起こし、人への愛と向き合うことになっていく。

金のために、短い間だけど必死に育てたベイビー。
何でそんなことになったのかワケもわからず、ただただ奔走し、子育てに疲弊しまくる男2人の“金庫破り”。

このベイビーに背負わされた“運命”。
いつしか、彼らがその背負わされたベイビー“運命”を共に背負い、ベイビーの未来を、ベイビーのために金庫を、破る。

前半から中盤はジャッキーもダメ男だし、赤ちゃん拉致するし、何がしたいのか心配になってくるが、その分そこからのこの終盤の畳み掛けはハートフル。

さすがに、ベイビーをこんな扱いしたらダメでしょ、ではあるけれど、無骨で不器用な男達の荒くれた命懸けの“子育て”。

そこで芽生える彼らの母性や子への想いが徐々にそれを凌駕していく。
そこはさすが、ジャッキー。だだの乱暴な話にしない。

ユンピョウも出ていて、ここまで他のジャッキー作品を立て続けに観てきた甲斐があったというか、色んな意味で“ファミリー”を感じられる作品。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
https://community.discas.net/announcements/ib1wyncr43idknqm
別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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