浅野公喜

福耳の浅野公喜のレビュー・感想・評価

福耳(2003年製作の映画)
3.7
老人ホームで働き始めたカンクロウ・クドウにそこで亡くなったばかりのクニエ・タナカの霊が憑依するコメディドラマ。2003年の作品なのでクニエ3はじめ今は亡くなっているキャストも何人か居ます。

最初は面倒くささを隠しきれないクドカンですが、体を貸すことでクニエ・タナカからは様々な知恵を授かり、片想いを良い方向に展開させる事が出来たりと二人三脚な流れが生まれ、映像的には二人が一緒に映ったり時にクドカンが一人二役を演じるのがシュールです。また、クドカンに何故憑依したのか分かる終盤の旅、クニエ・タナカ演じる老人の片想いに関しては近くに居るのに相手にはそれが分からないという憑依ならではの展開はそれぞれ感動的だったり切ないです。また、エンディングに少しだけ登場する赤ん坊や母猫と子猫達は人(生き物)の想いや命が受け継がれていく事を示唆しているようで印象的。他にもアキラ・タカラダがオネエを演じる姿が観れたり、オネエを悟られない為にダンディな男を演じていたのにあっさりバレるオカマバーのシーンも秀逸でした。ヨウコ・ツカサの数少ない比較的最近の出演作でもあります。

クニエ3が亡くなった今、誰かに憑依しているかもしれないなんて考えるのも面白いかもしれませんね。
「見えないものを信じて生きていくのが、人生なんだ」的なメッセージもよぅ、シンプルながらぁ〇なんだよぉ(作品違う)。
浅野公喜

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