暮色涼風

扉をたたく人の暮色涼風のネタバレレビュー・内容・結末

扉をたたく人(2007年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

亡くした妻の影を追うように、妻が得意だったピアノを弾けるようになろうとするが上手くいかず、同じことの繰り返しの仕事にも嫌気がさしているインテリの老教授ウォルターに、人種も違い歳も離れた移民の親友ができる。親友の母とも愛情が生まれ、孤独だったウォルターに家族のような存在ができ、段々と表情は明るく豊かになっていく。
しかし、9・11以降の厳しい不法滞在者の取り締まりで、強制送還されてしまう親友。
仕方ない部分もあるが、もっと人間らしい法律にならなければ、法が過ちを犯すことにもなる。

最後の方、空港のシーンで、パンアップしてぼかされる星条旗のカット。その直後のラストシーンで、親友の夢だった地下鉄での演奏。アメリカの現状に抗議するかのように、ウォルターはジャンベを叩き始める。

人間関係と人種問題を考えさせられる映画だった。
暮色涼風

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