このレビューはネタバレを含みます
永野芽郁と北川景子がめっさ美人。
ちゃんと昭和の女性に見える。
原作小説は既読だけど、ストーリーもテーマも解釈も大分異なるため、山田洋次監督の自己投影が強く反映されている印象を受けた。
例えば、
・老人同士の友情よりも、家族愛や老夫婦の馴れ初めにスポットを当てるように変更した点。
・尺の半分以上を占める、若かりし頃の追憶。
・映画評論ではなく、映画制作を背景にした物語と主人公像。
・"映画を観ながら逝きたい"という願望。
これらの大きな脚色全てが、良くも悪くも、山田洋次監督の"老人"としての価値観の影響が強く表れている。
"コロナ前とコロナ禍"という時世までシナリオに盛り込んだのは、蛇足に感じた。
原作を読んだ時は、"映画館で古い傑作を観ることの意義"を考えさせられたが、これでは単に"コロナの影響で映画館が減っていくのを憂いている"という見方になってしまう。
原作からかけ離れるのは嫌いじゃないが、かけ離れてまで描きたいものがやれたかどうか疑問だ。
