垂直落下式サミング

天使にラブ・ソングを…の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)
5.0
殺人現場を目撃したために、ギャングに命を狙われるようになったクラブ歌手が、修道院で匿われることになる。そこでの清貧な生活に馴染めずにいるのを見かねた修道院長に、アンタは歌手だからとヘッポコ聖歌隊の指導を一任されるが、讃美歌の曲調などをアレンジし始めて、保守的な院長と対立してしまう。
修道院のなかに引きこもって、治安の悪い俗世間との関わりを絶っていたシスターたちが、奉仕活動を開始して町に繰りだし、修道院の扉を開け放って、鉄格子を取っ払って、壁の落書きの上から平和的なグラフィックアートを描いていくところがステキ。
祈ることは確かに大事だけれど、それを実践することも必要。罪を許して、隣人を愛して、貧しいものにこそ恵みを与えましょう。それが本来のクリスチャン(修験者)の姿ってやつでしょう。
成り行きで流れ着いた先だとしても、持ち味があるんだったら活かさない手はない。おかれた場所で咲きなさい。苦手はやり過ごして、得意で勝負。それでもいい。困っている誰かの役に立ちなさい。そうやって居場所は作るもの。役割は勝ち取るもの。
自己流でもなんでもいいから、恩義に報いること・善行を積むこと、その大切さを教えてくれた。人生のバイブルのような作品。歌がうまいと世界はたのしいわよ。
「オールタイムベスト100」みたいなのまとめてリスト作ろうかなって思ったら、あれが入ってなくちゃとか、これは外せないって作品がゴロゴロ出てきて、感想まとめ中です。しばらく旧作☆5連投かもです。