たらお

感染のたらおのレビュー・感想・評価

感染(2004年製作の映画)
3.5
とある古びた病院で謎の奇病の集団感染が起きるお話。
感染すると緑色の液体を身体から出し、やがて溶けていきます。
発端は医療ミス(それでいて隠蔽しようとする)なのですが、そこから医師達が徐々に蝕まれ、狂っていく様には寒気立ちました。
ウイルスについて完全には明かされてないのでモヤッとする部分があります。

病院は経営破綻しており給与は未払い、ナースも次々やめ、医療器具も底をつきかけている状態。救急搬送もお断りしてるほどです。
しかも、血管の位置がわからず注射が苦手な看護師、縫合が苦手でトラブル起こした過去ありのヤバそうな若手医師とスタッフも難ありです。
冒頭のスタッフ同士の諍いや人員不足からの満足な対応が出来ていないあたり、患者としてここのお世話になるのは御免被りたいと思ってしまいました。

謎の奇病患者が運び込まれるまでは陰鬱な空気感が漂っておりますが、感染が始まってからの加速度は中々。
感染者らの奇行は見ていて痛いし迫るものがあります。
狐のお面を被った少年、痴呆症の老婆、ひとりでに揺れるブランコと不気味な要素はてんこ盛りなので展開が読めず緊張感は確かなものでした。
鏡の使い方、見せ方もポイントかと。
個人的に手の消毒と首のない老婆は今作の見所だと思ってます。
たらお

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