カカオ

陽のあたる場所のカカオのレビュー・感想・評価

陽のあたる場所(1951年製作の映画)
3.2
マリッジブルーやマタニティブルーの方には、決してオススメできない作品。

布教活動に熱心な母親の元で貧しく育った青年ジョージ。水着工場を経営している伯父の眼にとまり、ウチに来ないかと声をかけられていた。ヒッチハイクで伯父を訪ねるところから物語は始まる。水着工場の一員になってからのジョージの人生を描く物語。

















社内恋愛禁止のナンセンスなルールと、モテ期の自分に自惚れた錯覚から取り返しのつかない展開を招く。

中盤からの折り返しから心理的な恐ろしさを感じる。都合が悪くなった女に困惑して、殺害してもバレないのではないかと自分の悪い心にそそのかされる。



意味深な結末だ。確かに直接的に殺害はしていなくても救済措置の欠如や事故を望む展開へ誘い出したことから、未必の故意とも言える。しかし、陪審員はただ単に信じられない証言と一蹴したのかもしれない。

アンジェラとの最後の会話は無くても良かったのではないかと思った。






エリザベス・テイラー全盛期。やはり美しい。誰でも暫くの間、固まるのではないだろうか。








本作品は少し気になっていた作品。BSプレミアムの予告ラインナップで見つけた時から楽しみにしていた。

と言うのも、少し前に田中邦衛の追悼で「北の国から」の全作品を一通り観た。その中で本作品「陽のあたる場所」に触れる場面がある。妊娠させておいて逃げようとするジュンが、彼女から見るように薦められる作品。八方塞がりの圧力が印象的だった。




厳しい環境で育った若者が、開放的な行動ができることからワガママな欲に溺れて軽率な展開を招く。大人になりきれていない大人向けな道徳教材にも思える。
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